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スローシティの森

スローシティプロジェクト 【スローシティの森】シリーズ(第1回)

こんにちは!スローシティプロジェクトです。
昨今、スローフードという言葉が日本でも広まっていますが、「スローシティ」という言葉をご存じでしょうか。
この言葉に馴染みがない方にもスローシティやプロジェクトについて知っていただくべく、メンバーへのインタビューや対談を通してスローシティを深ぼる【スローシティの森】をシリーズでお届けします!
初回は、「そもそもスローシティってなに?」というテーマで行われたプロジェクトメンバー(木下・土居・中山・我妻)による対談の様子をどうぞ!

Q.まず、スローシティについて教えてください

-(木下)スローシティとは、イタリアのオルビエート市などが発祥である、地域の農産物や文化などを大切にして個性や多様性を尊重する新たなまちづくりを目指す考え方です。

-(土居)グローバル化により世界の都市の文化的な均質化が進む中で、地域に根付くものを魅力として改めて見つめなおすような取り組みとも言えますね。

スローシティープロジェクトの対談の様子

Q.地域の食から歴史や文化まで様々なものを対象としているようですが、みなさんの考える「スロー」とは一言で表すと何ですか?

-(木下)私が考えるスローは「持続すること」だと考えています。
スローを言葉のまま取ると「ゆっくり生活する」と思われがちですが、現代のグローバル化や効率の追求から受ける恩恵に対抗する文脈ではなく、この社会でいかに地域の力(文化、人、土地など)を消耗せずに持続発展していけるかを問う概念なのだと思います。

-(中山)たしかに。私にとっては「よゆう」ですかね。
スローとは地域の風土や文化を肌で触れつつ、それらに親しみを持って存続させていかなければならないものだと考えています。でも、グローバリゼーションに伴いファストが重視されつつある現代で生きていく上では、必要不可欠ではないもので、人によっては非効率で不必要に見られてしまうことも事実です。
なので、時代の流れのなかで「無駄」と見なされてきた文化や風土に再び目を向け、そこに価値を見出すことこそがスローなのではないかと考えています。

-(我妻)私も似たような捉え方ですが、「ゆとり」かな。
地域の食・文化・空気のおいしさを感じるための心のゆとりがあるからスローを醸成できるし、五感を使って地域を味わい、スローを醸成する中で心のゆとりも生まれるのだと思います。
私自身todoリストを消化することに追われる日々を送っていて…寝不足や生活リズムの崩れにより食事も適当になってしまい、心のゆとりの無さを痛感しています。それでも、地元に帰って畑に行き採れたての野菜を食べるだけで何とも言えない安心感がありますし、温かみを感じます。このような、身近に感じられる「ゆとり」がスローだと思います。

-(木下)そうだね。日々タスクに追われると「今私たち全然スローじゃない(余裕がない)」って言い合ったりするよね(笑)

-(土居)言っていますね(笑)。
私にとっては「豊かさ」がしっくりきます。
スローシティは地域の食や文化を大切に育みながら、人間らしい生活をすることだと私は解釈しているのですが、それこそが人間や自然にとっての「豊かさ」なのかなぁ、と感じるようになりました。例えば現代はSNSだったりで人と短時間で繋がることができますが、私は手紙など、時間と心を込めて、スローに何かに向き合うことに豊かさを感じますね。

-(中山)便利なものが沢山ある中で、それらからの恩恵を受けながらも本質的な人間らしい生活をするのは意外と難しいものでありますよね。だからこそ、価値として捉えられるくらいの「よゆう」や「ゆとり」が必要なのかもしれませんね。

スローシティプロジェクトの活動の様子

Q.では、みなさんの考える「スローシティ」とは一言で表現するなら何ですか?

-(土居)スローの部分と重複してしまいますが、「地域の食や文化を大切に育みながら、人間らしい生活をすること」だと考えています。加えて、他の地域の個性も尊重することも要(かなめ)かな、と思います。

-(木下)綺麗ごとに聞こえるかもしれませんが「地域に誇りを持てるようになる」かな。地域のことを見つめなおして、その地域にしか出せないオリジナリティを継いでいくことをイメージして考えています。

-(中山)木下さんの言う「継いでいくこと」に似ていますが、「それぞれの地域が持つ、風土や食に肌で触れて、風化させないでいくこと」がスローシティだと考えています!

-(我妻)対象とするものやスローの捉え方が多様だったように、スローシティの概念は一つに定められたものではないからこそ、「感覚を大切にしつつ、住民や地域に関わる方々が地域に誇りを持てる状態」がスローシティそのものだと思っています。

Q.次回はプロジェクトの活動について深ぼっていきます。次回に向けて、最後に一言でプロジェクトの魅力を教えてください!

-(木下)まだ日本では浸透していない概念について、みんなと国内外の論文を参考にしながら議論を繰り返して理解を深められるところ!

-(土居)日本のこの地域における、こんな取り組みもスローシティ的だよね!と、日々新しい発見や学びがあるところ!

-(中山)文字だけを見たら、日本には浸透していないのかなーと一見思われがちだけど、生活のあらゆる部分にスローな概念が根ざしていて、それを再発見できるところ!

-(我妻)輪読を繰り返し知識を蓄えることで、日常でスローの要素を探すことが楽しくなってきたこと!

スローシティプロジェクトの活動の様子

いかがでしたか?
みなさんの生活の中にもスローシティの概念に当てはまるものが多いと感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
次回の【スローシティの森】もお楽しみに!