株式会社エヌアイデイ立澤さん
佐原を訪れたことがある人は一度はこの方をみたことがあるのではないでしょうか?
私たち佐原元気PJだけでなく、学生から大人まで全ての活動はこの人に話せば大丈夫。そうです、立澤さんです。
今回のインタビューでは、そんな立澤さんの素顔や、NIDとはどんな会社か、そして立澤さんが考える佐原の未来についても伺いました。
そして最後に「立澤流大祭の楽しみ方」も聞かせてもらったので、ぜひ覗いてみてください!
佐原ですでに活動されている方はもちろん、これから佐原で何かしたいなぁと思っている方、佐原ってどんな人がいるんだろう、
そんな思いを持っている方にピッタリな内容となっています!
自然と流れに身を任せて
ゆうた:まず最初にエヌアイデイという会社について伺ってもいいですか?
立澤さん:エヌアイデイは香取市佐原で創業し、来年で60年目を迎える会社です。
もともとは入試のデータ処理などを手がけていて、時代の流れとともにアナログからデジタルへの移行を支えてきました。
今はSlerとしてさまざまなITサービスの開発提供をしています。
ゆうた:そう聞くと佐原での活動内容とは全然違いますよね。そのなかで立澤さんはどのような部署で働かれているのでしょうか?
立澤さん:新規事業部というところにいます。一言で言えば、「自分たちで仕事をつくる部門」です。ITに限らず自分たちが面白いと思えることを事業として形にしていこうという方針で始まった部門です。実は以前、吉野家のフランチャイズをやろうと思って説明会に参加したこともあったんです(笑)。
でも「それは違うだろう」と社内で止められました。他の人がすでにやってきたことをそのままやってもダメということですね。

ゆうた:その一環として創業の地、佐原で活動しているんですね!その佐原での地域活動は最初からイメージしていたんですか?
立澤さん:正直、そこまで明確なイメージがあったわけではないです。
とはいえ、ドラスティックに始まったというわけでもなく、自然とその流れの中に身を置いている感じなんです。面白そうとか心地いいなとかそれぐらいの感覚です。
ゆうた:今まで色々な活動をしてきたと思いますが、佐原で活動を続けるなかで、難しさを感じたことはありますか?
立澤さん:特段これが難しいっていうものはなかったかもしれないです。
急いで得するものはあまりないと思っていますし、地域に合わないですよね。それよりかは、日常のなかに自然と入り込んでいくほうが結果的にうまくいくと思ってます。
友達を作ったり、生活の中で友達と関わる感覚で地域に接しているぐらいの距離感で自分が面白がることが大事なのかもしれないですね。

ゆうた:飯盛研究室との関わりもそうした自然な流れの中で出てきたものなんですか?
立澤さん:はい。最初は社長から「とりあえず先生に会ってみたらどう?」という感じで紹介を受けたんです。そこから少しずつ関係ができて、夏合宿に学生が30人以上一気に来たときはさすがに驚きました(笑)。
でも、あの非日常的な空間があるからこそ、一緒に活動する意味が見えてきたとも思っています。
ゆうた:学生たちとの活動で印象に残っていることはありますか?
立澤さん:一緒に何かをつくっていく中で、自分の考えを整理する時間が増えました。
壁打ちの相手になることで、自分も学んでいるという感覚があります。
最初は「価値ある活動にしなきゃ」と思い込みがちですが、少し距離を置いて客観的に見ることであらゆる人と目線を合わせることができる気がします。
ゆうた:佐原は僕たち慶應大学だけじゃなく、今までもいろいろな大学が関わっていますよね。
学生がこの佐原で活動することの意義はどのようなものがありますか?
立澤さん:この地域は歴史も文化もあっていい意味で地域としてのプライドがあります。なので意味ベースで何かをやろうとすると地域との動きが合わせづらくなる。一方で、学びベースで動くと協力を得やすいですよね。
地域で活動するということになると事業かボランティアの2軸しかない中で、学生は特別な動き方ができると思っています。学生は責任を負うことはできないけど、きっかけをつくることができている気がしてるんです。
実際いつも勢いをもたらしてくれるのは学生なんですよ。
佐原の歩き方
ゆうた:地域で活動する人にとって「外の人・中の人」のような対立構造になる可能性もあったと思うのですが、地域と関わる上で、「よそ者」としての葛藤はありましたか?
立澤さん:正直に言えば、「よそ者だからこうしよう」と意識したことはあまりないです。
でも、だからといって深くまで入り込もうとも思っていなくて。仕事と生活の境目をあまり作らず、子どもも一緒に地域に連れてきて楽しんで過ごす。そんな感じで関わっています。

ゆうた:まさに普段の生活の延長という感じですね!いつも通り・自然体、まさに立澤さんを表すワードだと勝手に思ってます(笑)。地元の方との関係性を築くうえで、印象的なエピソードはありますか?
立澤さん:最初の頃、地域の方に「地域の歩き方がわかっていない」と叱られたことがあります。ただ、その時も自分の感覚で人の話を聞きに行ったり、関係をつくったりしていくことが必要だと思っていました。
誰かに教わりに行くのではなく、たとえ地雷を踏んだとしてもそれが致命的なものでない限り動きながら覚えていく。その姿勢は今も変わっていません。
佐原の未来
ゆうた:これからの佐原はどう変わっていくとみていますか?
佐原はなんでも揃っていて地域として明確な目標を立てづらいのかなと思っていますが、どうでしょうか?
立澤さん:ゴールに向かって一直線に進むというよりは、動き続けて挑戦し続けることが大切かなと思っています。
僕自身も挑戦し続けるところにワクワクする、だからそこにいたいと思っていますしね。それに周りも刺激を受けて自分もそこにいたいと思える。そんな大人の姿を子供達にも見せられたらいいですね。
仕事でもボランティアでもない、その中間のような関わり方ができるのが理想だと思います。
時には反対する人もいるかもしれないけど、皆地域が好きで思っていることだから変に考えすぎないようにするのがいいかもしれませんね。
ゆうた:いいですね。佐原という地域に挑戦する土壌があるからこそそう思えますよね!
それだけ色々な方が挑戦した過去があって、それを受け入れる地域の器が少しずつ着実に出来上がっているんだなと僕も思います。
立澤流大祭の楽しみ方
ゆうた:では最後に立澤さんが思う佐原の好きなところを聞いてもいいですか?
立澤さん:あえてっていうのは難しいですね、探しておきます(笑)。
あ、でも、山車会館の年間パスポートはやすくておすすめですよ。

ゆうた:年間パスポートはもっと広まって皆んなに使って欲しいですね!
では、立澤さん流の大祭の見方も教えてください!
立澤さん:普段の佐原を知っているからこそ、夕暮れ時に一人ビールを飲みながら町並みを歩くとワクワクします。やっぱビールは必須ですよね(笑)。
皆が楽しそうにしている雰囲気がなんとなく良くて、すれ違う人の表情とかを見ると山車を見るのとは違っていいですよね。
ゆうた:せっかくなので今年は山車をずっと追っかけるだけじゃなくて、ビールを片手に夕暮れ時の町並みを歩いてみようと思います!
何かを始めようと思った時には色々な試行錯誤や葛藤があると思います。
緊張も不安もワクワクも全部。
とはいえ、ああしなきゃいけない、こうしなきゃいけないというのもないと思っています。
人には人のやり方や距離感の取り方があって、だからこそ地域にバリエーションが出てくるのだと感じました。
そんな中で、いい意味で張り切りすぎないで「自然体でいる」。
立澤さんを象徴する言葉であり、だからこそ地域の人にも親しまれているのだと感じました。
